卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)

卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)とは卵巣にできた腫瘍のことで、なかに液状やゼリー状の内容物がたまった球状の袋でできています。卵巣嚢腫の腫れにはいくつか種類がありますが、多くは良性の腫瘍で妊娠初期に自然に消滅する場合もあります。

良性の腫瘍の代表的なものは「ルティンのう胞」です。この場合、妊娠初期の超音波検査のときに「卵巣が腫れている」と診断されます。妊娠中のホルモンの影響で卵巣の中の黄体に水が溜まることによっておきます。

ただし、妊娠中期になっても直径6センチメートルを越える大きさの腫れになっていた場合は、経膣分娩の妨げになる可能性が出てくるため、卵巣嚢腫摘出手術が必要になります。


卵巣嚢腫の症状

卵巣嚢腫は最初は無症状から始まりますが、腫れが大きくなるにつれ腹部が膨れてきます。腹部を触るとしこりが感じられるようになり、それに伴って腰痛も始まります。さらに進行すると、膀胱を圧迫することによる残尿感、頻尿といった症状がでてきます。

また、卵巣嚢腫の茎がねじれる(茎捻転)ようになると、激しい腹痛や嘔吐といった症状が見られるようになります。特に急性茎捻転の場合は、緊急手術をして患部を摘出する必要性が出てきます。

この卵巣嚢腫は基本的には良性の腫瘍です。ただし、悪性の卵巣がんに変わる場合もあるため、定期的な検査を必要とします。


卵巣嚢腫の原因

卵巣嚢腫には嚢(袋)のなかに入っている物質によって以下の3つに分けられます。

  • ムチン性・・・ゼラチン状のものが入っている場合
  • 漿液性(しょうえきせい)・・・比較的さらさらした透明な分泌液の場合
  • 類皮性(るいひせい)・・・毛髪や骨などの皮膚を組織する物質が入っている場合

ただし、何故このようなものが嚢(袋)のなかに溜まるのかは解明されていません。よってその予防法もないのが現状です。上記のような症状が出たら、病院で診察を受けるようにするのが先決です。


卵巣嚢腫の治療法

卵巣嚢腫の治療法は、原則的に手術です。年齢や嚢腫の種類、状態などを考慮し、嚢腫だけを摘出する手術にするか、卵巣ごと摘出する手術にするかが決められます。嚢腫が小さい場合は、腹膜鏡を使った手術も可能と言われています。

両方の卵巣を取り除いた場合は、ホルモン障害をきたす可能性が出てきます。その場合は女性ホルモンを投与するなどの必要な処置が行われます。

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