退職後の出産手当金と出産育児一時金

妊娠・出産を期に退職をする場合、健康保険の出産給付である「出産手当金」と「出産育児一時金」が出産前後の生活をサポートしてくれます。 


出産手当金とは

「出産手当金」は、健康保険被保険者が出産のために会社を休む間に支給される手当金です。なお、この給付金は無税です。

出産手当金給付のための条件

出産のために健康保険より手当を受けるためには、以下のような条件を満たしている必要があります。

健康保険の被保険者期間が継続して1年以上

この場合の被保険者期間は、健康保険の加入期間が連続していることが基準のため、別の会社の分でも継続加入していれば問題ありません。ただし、これは退職した場合の話で、在職中の場合は被保険者期間の長さは問われません。

退職後6ヶ月以内に出産日がくる

往々にして出産は予定日より遅れます。折角出産手当金をもらうために6ヶ月前に退職しても、あまりギリギリだと6ヶ月を過ぎてしまい、すべてがパーということにもなりかねません。例え一日でも遅れた場合は1円ももらえなくなりますので、余裕を持って退職日の計画を立てるようにしましょう。 

出産手当金の支給期間

出産手当金が支給される期間は

出産予定日までの出産前42日(多胎出産の場合は98日)+予定日より遅れた日数+出産後56日

となります。予定日どおり出産すれば98日分(多胎出産の場合は154日分)、予定日より5日遅れた場合は5を追加して103日分(多胎出産の場合は159日分)が支給されます。

出産手当金の支給額

出産手当金としてもらえる額は、標準報酬日額の2/3に当たる額です。退職前の休業中に給与がもらえた場合は、出産手当金と比較して給与のほうが少なければその差額分が支給されます。もし、給与のほうが高いのであれば、支給はありません。

この出産手当金は、健康保険被保険者に対する給付です。よって、健康保険の被扶養者(妻や子)の出産の場合には給付されませんので間違えないように。

出産手当金の請求手続き

一般的には産後の期間が過ぎてから1回で請求しているようです。産前産後の2回に分けて請求することもできます。また、2年以内に請求しないと支給されなくなりますので、注意しましょう。

なお、傷病手当金と出産手当金両方が受けられる状況の場合は、出産手当金のみが支給されます。

手続き窓口 政府管掌の健康保険の場合は住所地の社会保険事務所
組合管掌の健康保険の場合は退職前の会社が所属する健康保険組合
必要書類 健康保険出産手当金請求書(手続き窓口で入手)、印鑑
請求時期 2年以内

出産育児一時金とは

「出産育児一時金」は、健康保険被保険者本人もしくは被扶養者(妻や子)の出産に伴って支給される手当金です。なお、被扶養者の出産の場合は「家族出産育児一時金」といいます。

通常、出産のための定期検診や入院費などの出産費用は全額自己負担です。そのため出産にかかる費用はかなりの負担になります。これらの負担を軽減するために、子供1人につき35万円(双子の場合は70万円)が支給されます。 

なお、出産育児一時金が支給されるのは妊娠4ヶ月(85日)以降の出産の場合です。そのため、早産・流産、死産、人工妊娠中絶の場合も出産育児一時金の対象になります。

出産育児一時金給付のための条件

被保険者本人が出産する場合、退職日までの健康保険の連続加入が1年以上であれば、退職した会社の健康保険から支給されます。

健康保険の被扶養者であった妻や子が出産する場合は、退職後に加入した国民健康保険などから出産育児一時金を受け取ることになります。

会社員だった妻が出産で退職し、夫の扶養家族になった場合は、どちらかの健康保険に請求し受給することになります。

出産育児一時金の請求手続き

退職後に出産育児一時金を請求する場合は、以下のような手続きとなります。

手続き窓口 政府管掌の健康保険の場合は住所地の社会保険事務所
組合管掌の健康保険の場合は退職前の会社が所属する健康保険組合
必要書類 健康保険出産育児一時金請求書(手続き窓口で入手)、印鑑
請求時期 出産後速やかに

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