ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズ [Blood, Sweat and Tears]

ブラス・ロックの代表的なバンド

ブラス・ロックの代表的なバンド「ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズ」は、バンド創生期の中心人物であったアル・クーパーによってそのスタイルを打ち出しました。ブルースを基調としたシカゴに対し、アル・クーパーのとったスタイルはジャスのビック・バンド的なスタイルでした。

ブルースを基調としたシカゴなどがホーン・セクションをアレンジの一部として取りいれたのに対し、「ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズ」のバンド・スタイルは、トランペット3本、サックス1本といった完全にホーン・セクション中心のアレンジを特徴とします。

ブルースを基調にホーン・セクションを取り入れるバンドはシカゴのほかに、ジョン・メイオールのブルース・ブレーカーズなどいたものの、このようにジャズを基調としたブラス・ロック自体彼らの独壇場で、唯一無二のバンドだったといえるでしょう。

アーティスト

アル・クーパー(オルガン、ピアノ、ボーカル)
スティーブ・カッツ(ギター、ボーカル)
フレッド・リプシウス(サックスン、ピアノ)
ディック・ハリガン(トランペット)
ランディー・ブレッカー(トランペット)
ジェリー・ウィリス(トランペット)
ジム・フィルダー(ベース・ギター)
ボビー・コロンビー(ドラム)

ヒストリー

アル・クーパー一人の世界

彼らのデビュー・アルバム『子供たちは人類の父である』は1968年に発表になりました。弦楽四重奏を取り入れるなど、ジャズ・クラシック・ソウルといった色んなジャンルの音楽をミックスしていきました。しかし、アル・クーパーのブルージーな路線に対し、バンドのメンバーはトランペットやサックスをよりフューチャーしたサウンドを目指し、たった一枚の作品を作り終えた時点で互いの意見が食い違ってくるようになります。

「血と汗と涙」の結晶

結局、一枚の作品を残してアル・クーパーはバンドを去っていきました。しかし、残ったメンバーは2枚目のアルバム製作にとりかかり、セカンド・アルバム「血と汗と涙」を作り上げます。作曲も出来るデヴィッド・クレイトン・トーマスをボーカルに迎え、ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズは一気にブレイクします。

このアルバムからは、「スピニング・ホイール」、「ユーブ・メイド・ミー・ソー・ベリー・ハッピー」、「アンド・ホウェン・アイ・ダイ」などのヒット曲(いずれも全米2位)が生まれました。個人的には「サムタイム・イン・ウィンター」が非常にしっとりとしたいい曲だと思います(雪の積もった静かな宵に聞くとすごく心地よい曲です)。またこのアルバムで、ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズは第12回のグラミー賞を獲得しています。

完璧な演奏など必要ない

彼らのセールス・ポイントはその完璧な演奏能力でした。しかし、時代は変わり、完璧な演奏がほしければスタジオ・ミュージシャンを雇えばよく、いろんな楽器がほしければシンセサイザーで代用できるという時代が到来します。そんな時代の中、彼らのその売り自体も代用がきくものとなり、時代からこぼれ落ちていったのでした。


代表的なアルバム

血と汗と涙 [Blood Sweat & Tears]

血と汗と涙
血と汗と涙
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ブラッド・スウェット&ティアーズ
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おすすめ度の平均: 5.0
5 ブラスロックの大傑作
5 職人芸に溢れた傑作アルバム!
5 実は最初に買ったLP
5 マイルス・デイビスにも影響を与えた、
ブラス・ロックの真髄
5 ここにブラスロックの最前線がありました

【曲目リスト】

  1. エリック・サティの主題による変奏曲(第1楽章,第2楽章)
  2. 微笑みの研究
  3. サムタイムズ・イン・ウィンター
  4. モア・アンド・モア
  5. アンド・ホエン・アイ・ダイ
  6. 神よ祝福を
  7. スピニング・ホイール
  8. ユーヴ・メイド・ミー・ソー・ヴェリー・ハッピー
  9. ウィル・ユー・ラヴ・ミー・トゥモロー
  10. ブルース・パート2
  11. エリック・サティの主題による変奏曲(第1楽章)
  12. モア・アンド・モア(ライヴ)
  13. 微笑みの研究(ライヴ)

【ライナーノート】

第12回グラミー賞を獲得したブラッド・スウェット・アンド・ティアーズのセカンド・アルバムです。ポーン・セクション中心でアレンジされた楽曲は、他のアーティストたちの作品とは一線を画しています。

1曲目の「エリック・サティの主題による変奏曲」ですが、ミュートがかったトランペットの奏でるメロディは何処かで聴いたことがある人も多いと思います。2曲目は隠れた名曲(だと思う)「サムタイムス・イン・ウィンター」。これは雪の積もった宵に聴いてください。静かな宵が体の中へひっそりと染み込んでくる、そんな感覚を味わうことが出来ます。

そして、演奏は次第に盛り上がりを見せ、6曲目の「スピニング・ホイール」、7曲目の「ユーヴ・メイド・ミー・ソー・ヴェリー・ハッピー」でクライマックスを迎えます。このアルバム自体、この「ユーヴ・メイド・ミー・ソー・ヴェリー・ハッピー」のためのアルバムといっても過言ではないでしょう。それほどこの曲自体起伏にとんだドラマティックな展開で、聴くものを魅了します。

本作は、ドラマティックなホーン中心のアレンジを堪能できる1枚です。ロックはこうあるべし、という先入観を取り除いて、純粋に曲の良さに身をゆだねると本当の良さを感じられます。

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