ソフト&メロウにアダルトな音世界を演出し、いわゆる"AORブーム"を誘発させたのが"ミスター・ダンディー"ことボズ・スキャッグスです。世紀のスカシ・ナンバー「ウィ・アー・オール・アローン」で何人の男女が車やベッドで戯れたことでしょう。このナンバーを収めた76年作『シルク・ディグリーズ』は時代を超えて語り継がれる、トロけるようなAOR名盤なのです。
愛を説く伝道師スキャッグスですが、そのキャリアを紐解くと意外にも渋みの効いたフィールドで活躍していたミュージシャンであることが分かります。スティーヴ・ミラー・バンドへの参加、そしてオールマン・ブラザーズ・バンドの中枢として知られるデュアン・オールマンとの共演では、彼の原点とも言える泥臭いR&Bやブルースをベースとしたアーシーなサウンドを鳴らしています。
しかし、70年代初頭からはブルー・アイド・ソウル方向へとその歩みを進め、ビターなヴォーカルと甘くまどろんだメロディが一体化した、アーバンで洗練された情景を演出。その情景を体現したアルバム『ダウン・トゥー・ゼン・レフト』、『ミドル・マン』とミリオン・セールスを記録し、一躍時の人となりました。
AORシーンの隆盛が終焉を迎えると共にスキャッグスの活動もその勢いを失ってしまうが、97年には原点回帰したR&B作品で濃厚なフェロモンを歳甲斐もなく大放出。広く世間に健在ぶりをアピールしました。
05年現在においても堅調に作品を発表。この大ヴェテランは今もなお、創出する甘美な音世界で世界中のリスナーを魅了し続けています。
代表的なアルバム
Down Two Then Left [ダウン・トゥー・ゼン・レフト]
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スティーヴ・ミラーのヴォーカルを経て,独立したボズが一般に知れるようになったのは前作『シルク・ディグリーズ』でした。そしてこの77年の作品もアダルトポップスの中でもソウルっぽさが評判になります。TOTOのメンバーを迎え、完成度の高いサウンドでソウフルな「ホワッチャ・ゴナ・テル・ユア・マン」、メロディー・ラインが印象的な「ハリウッド」、オトナの男の色気を十二分に表現した「ハード・タイムス」など、バラエティに富んだ作品が並び飽きさせません。
Middle Man [ミドル・マン]
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TOTOのメンバーやレイ・パーカーJr.、デヴィッド・フォスターらの強力なバック・アップにより完成させた、80年の作品です。ロック色の強い内容となっているが、AORの極意ともいうべきスタイリッシュな感覚はどの楽曲にも根づいています。ギターにサンタナを迎えた「トワイライト・ハイウェイ」などでは、彼の本領が大いに発揮された大人のヴォーカルを聴くことができるます。本作リリース後活動休止を宣言し、レストラン経営などの実業家に専念しましたが、88年にアルバム『アザー・ローズ』でカムバックしました。(Amazon.co.jp 春野丸緒)
Silk Degrees [シルク・ディグリーズ]
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69年以降ソロ・シンガーとして活動してきたボズ・スキャッグスの、76年発表の出世作です。この洗練されたアダルト・コンテンポラリー作品は、2ndシングル「ロウダウン」のヒットもあり、ロング・セラーを記録します。グラミー賞5部門にノミネートされ、最優秀R&Bソングを獲得しました。そして彼に、都会的センスが光るハイ・クラスのAORシンガーという称号も与えたのです。なお、本作でバックをサポートしたスタジオ・ミュージシャン達が、のちにTOTOを結成させています。(Amazon.co.jp 春野丸緒)
Slow Dancer [スロー・ダンサー]
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『シルク・ディグリーズ』直前の作品で,その後の彼の人気の割りには知られていないかくれた名盤です。アダルト・コンテンポラリーと呼ぶにふさわしく,いぶし銀のようなヴォーカルと極上のバック・ミュージシャンたち。ろうそくの光とワインが似合いそうなジャケットがアルバム全体を象徴しています。






