キャロル・キング [Carole King]

息の長い偉大なるメロディ・メイカー

彼女の音楽については2つの時代があります。一つは1960年代のティン・パン・アレイの作曲家時代。そうしてもう一つが1970年代からのシンガー・アンド・ソング・ライターの時代です。

彼女のティン・パン・アレイ時代には、自身も『つづれおり』でセルフ・カバーした「ウィル・ユー・ラブ・ミー・トゥモロウ」や、あの有名な「ロコモーション」、ボビー・ヴィーが歌った「ふられた気持ち」など多くの全米No1ヒットを輩出しました。

シンガー・アンド・ソング・ライターになった70年代は、60年代に疲弊した時代でした。彼女の癒し系の曲はそんな時代にマッチしていました。アメリカの誰もがベトナム戦争に代表される60年代に疲れ、心の潤いを求めていたのです。そんな時代だったからこそ、彼女の音楽は多くのリスナーに受け入れられ、彼女自身を第一線にとどまらせることになりました。彼女の奇をてらわない素直なメロディと素直な言葉。これがこの疲弊した時代には必要だったのです。

60年代、70年代というながきに渡って活躍したキャロル・キング。そのときの作品、そのときの彼女のハスキーで優しい歌声は時代を超え今も多くの人々を癒しつづけています。

アーティスト

キャロル・キング(1942年2月9日、ニューヨーク・ブルックリン生まれ)

ヒストリー

失敗に終わったデビュー

大学在学中にポール・サイモンからデモ・テープの作り方を教わった彼女は、自分で作ったデモ・テープを売り込んで1958年、ABCパラマウント・レコードからシングル・デビューします。しかし発表した4枚のシングルは何れも失敗に終わり、彼女は一旦歌手としての道をあきらめることとなります。

ティン・パン・アレイの作曲家時代

その後再デビューをし、1960年代には当時の夫ジェリー・ゴフィンとのソングライター・コンビで、「ロコモーション」「ウィル・ユー・ラヴ・ミー・トゥモロウ」などの数々の名曲を生み出します。1960年から1963年にかけての三年間で、ふたりは延べ20曲あまりの全米トップ40ヒットを世に送り出しました。

しかし、ビートルズの全米進出を機にティン・パン・アレイの音楽は翳りを見せ始めるようになります。このような仕事上の不和により、68年にジェリーとキャロルは離婚してしまいます。

モンスター・アルバム「つづれおり」

1970年代に入ると、キャロ・キングは自らシンガー・ソングライターとしての活動を本格的に開始します。そして1971年に発売された彼女のセカンド・ソロ・アルバム『つづれおり』(Tapestry)は、グラミー賞4部門制覇、全米アルバムチャートで15週連続1位、その後も302週(なんと5年10ヶ月!)連続でトップ100にとどまるロングセラーとなります。この約6年という長さがこのアルバムのすごさを物語っています。全世界で2000万枚を越えるこのモンスター・アルバムは、時代を超え、現代でも多くの人々に愛されています。

息の長い偉大なるメロディ・メイカー

彼女は、『つづれおり』の成功後もアルバム『ミュージック』、『喜びにつつまれて』など、順調にヒットを連発します。結果として、彼女自身1960年代のティン・パン・アレイの作曲家時代と1970年代前半から中期に掛けてのシンガー・アンド・ソング・ライターと、60、70年代にわたって息の長いヒット・メイカーとなりました。


代表的なアルバム

つづれおり [Tapestry]

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5 久々に心が揺れました
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5 きっかけは娘の誕生

【曲目リスト】

  1. アイ・フィール・ジ・アース・ムーヴ
  2. ソー・ファー・アウェイ
  3. イッツ・トゥー・レイト
  4. ホーム・アゲイン
  5. ビューティフル
  6. ウェイ・オーヴァー・ヨンダー
  7. 君の友だち
  8. 地の果てまでも
  9. ウィル・ユー・ラヴ・ミー・トゥモロー
  10. つづれおり
  11. ナチュラル・ウーマン
  12. アウト・イン・ザ・コールド
  13. スマックウォーター・ジャック

【ライナーノート】

1971年にリリースされた「つづれおり」は全世界で2200万枚以上のセールスを記録し、ビルボードでNo.1を15週連続維持し、連続302週に渡って(なんと6年間以上)100位以内にチャートインを続けました。また、アルバムは71年のグラミー最優秀アルバム賞を受賞しています。

このモンスター・アルバムは、内容的には一人の女性の悲しみと苦悩を表現したコンセプト・アルバムという構成になっています。軽快なピアノで始まる一曲目の「アイ・フィール・ジ・アース・ムーヴ」から、ラストの「スマックウォーター・ジャック」まで、1曲足りとも駄作がない素晴らしい出来です。ロッド・スチュワートがカバーした「去りゆく恋人」や全米チャートで第1位 を獲得した「イッツ・トゥー・レイト」(この曲は1971年のグラミー賞をレコード部門で受賞しています)のオリジナル・ナンバーに加え、コンポーザー時代にシュレルズに提供した「ウィル・ユー・ラヴ・ミー・トゥモロー」やアレサ・フランクリンに提供した「ナチュラル・ウーマン」のセルフ・カバー・バージョンなど、「いい曲は?」と聴かれれば、「全部」と答えるしかないほどのクオリティの高さです。

このアルバムがヒットしたのには時代性というのもあると思います。60年代という激動の時代に対するアンチ・テーゼという意味もあったのかもしれません。誰もが60年代に疲れ、心の癒しを求めていたからこそ、この穏やかに流れる川のような雰囲気をもったこのアルバムが、6年間という永きに渡ってヒットしたといえるでしょう。

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