カーペンターズ [Carpenters]

古き良きアメリカの牧歌

カーペンターズはリチャード・カーペンターとカレン・カーペンターの兄妹からなるミュージック・グループです。カレンはボーカルとドラムなどを担当し、声の美しさには定評がありました。 リチャードはボーカル、作曲、アレンジなどを担当し、彼はコンポーザーとしてのメロディの美しさが評価されています。

その音世界は古き良きアメリカの牧歌的な姿をイメージさせます。60年代後半のサイケデリック音楽全盛の時期にデビューし、疲弊していたアメリカに安らぎをもたらした音楽は多くのリスナーに受け入れらました。その美しくはかない曲の数々は時代を超えて多くの人々の心を癒しつづけています。

カレン・カーペンターが拒食症により他界してからはや25年、現在でもその人気は確かなもので、日本でもCM・ドラマの主題歌などさまざまなメディアで耳にする機会は少なくありません。

アーティスト

リチャード・カーペンター(1946年10月15日生まれ、ボーカル・作曲)
カレン・カーペンター(1950年3月2日 - 1983年2月4日、ボーカル・ドラム)

ヒストリー

カバーの天才

1969年ビートルズのカバー・ナンバー「涙の乗車券」でデビューしたカーペンターズ。基本的にはカバーを中心にリチャードの卓越したアレンジによって聞かせるというスタイルで人気を得ていきます。

代表作「ナウ&ゼン」

1973年には彼らの代表作「ナウ&ゼン」が発表されます。このアルバムからは美しきメロディが素晴らしい「イエスタディ・ワンス・モア」、セサミストリートのテーマ曲になっている「シング」などのオリジナル・ヒットも生まれています。

ロックの進化の渦のなかで

1970年代の前半、カーペンターズは絶大な人気を誇ります。それはあの巨人ビートルズにも匹敵するのではないかというほどでした。しかし時代は変わり、ロックは進化を続けます。その中でパンクやクロスオーバーなど新しい音楽のスタイルが現れ、リスナーもそちらへと傾倒していきました。

そんな中、レコード会社の思惑もあり、カーペンターズは相変わらず同じ路線を行きます。時代がよりハードな音楽を求めだしているにも関わらず、牧歌的な歌を歌いつづけるカーペンターズは、次第に時代から取り残されるようになっていきました。

思い出は美しすぎて......

完全に時代から取り残されたカーペンターズ。そのストレスは次第に彼らを蝕んでいきました。リチャードは睡眠薬中毒になってしまい、カレンは拒食症になってしまいます。そして1981年に発表した「メイド・イン・アメリカ」をラスト・アルバムに、1983年2月4日、彼女は拒食症からきた心不全のため、32歳という若さでその生涯を終えてしまいました。

もしも、というのはありえないことなのですが、もしレコード会社が時代に乗るようにさせてあげていたら、もしも彼らがレコード会社を変えてでも新しい音楽を創造していたら.... 今でも新しいカーペンターズの曲を聞けていたかもしれません。思い出は彼らの残された曲をよりいっそう美しく輝かせると同時に、深い悲しみを与えることになりました。


代表的なアルバム

カーペンターズ [Carpenters]

Carpenters

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アメリカでは発売後1週間でミリオン・セラーを記録した3作目で、カーペンターズ・サウンドはここで確立したといわれています。このアルバムからは「スーパースター」「ふたりの誓い」などのヒット曲がでました。

しっとりとした雰囲気とストリングスのフレーズが雨の日の気だるさを感じさせてくれる「雨の日と月曜日は」、リズミカルなメロディが土曜日のわくわく感を表した「サタデイ」、ゆれる女心を歌った「あなたの影になりたい」と「愛は涙のために」など心に届く佳曲が収録されています。そして、バカラック・メドレーを経て、ラストをかざる「サムタイムス」。この曲はヘンリー・マンシーニが離れて暮らす娘の書いた詩に曲をつけたものですが、聞き終わった後になんともいえない気持ちになります。

ソング・フォー・ユー [Song for You]

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非常に完成度の高い1972年の作品です。リチャードが最も気に入っているアルバムだと言われています。レオン・ラッセルのカバー曲「ソング・フォー・ユー」、やさしいカントリータッチが穏やかな雰囲気を生み出した「トップ・オブ・ザ・ワールド」といった代表曲が収録されています。

その他、ドラマチックな「ハーティング・イーチ・アザー」、キャロル・キング作曲の切ない恋心を歌った「小さな愛の願い」、「動物と子どもたちを讃えましょう。彼等は声をあげることも、彼等は他を選ぶこともできないのだから」と歌われる映画のサウンドトラックにもなった「動物と子供達の詩」、ウィリアムス/ニコルスの力強い「愛は夢の中に」など、代表的な二曲に負けず劣らずの佳曲を聴くことが出来ます。

赤いジャケットの真中に描かれた "ハート" のイラストが何を意味しているのか、このアルバムを聴くときに考えてみるのも良いかもしれません。

ナウ & ゼン [Now & Then]

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1973年発表の「ナウ・アンド・ゼン」は、前作「ソング・フォー・ユー」と並んでカーペンターズの代表作と言えるでしょう。このアルバムからは、「イエスタデイ・ワンス・モア」、"セサミ・ストリート" の挿入かとしても知られている「シング」、ハンク・ウィリアムズのカントリー・ポップスのカヴァー「ジャンバラヤ」などの大ヒット曲が誕生しています。

特にこの「イエスタデイ・ワンス・モア」の18分以上におよぶアメリカン・オールディーズ・ポップスのメドレーは、まさに彼らの本領発揮といえます。これらはノスタルジーに満ちた古き良きアメリカを体現するものであり、ユートピアの歌でした。これらのメドレーは、71年に発表されたキャロル・キングの「つづれおり」同様、ベトナム戦争を始めとする60年代につかれた米国社会にとって自由と平等の国であった古き良きアメリカを思い出させてくれる癒しの音楽であったのです。

このアルバムのタイトルが、「Now And Then(今、そして、これから)」というのは、彼らの今と未来というよりは、アメリカの今とこれからを思う気持ちがこめられていたのかもしれません。

緑の地平線 [Horizon]

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カレンの美しいアルトの声を生かして、シンガーとしてのカーペンターズの新境地を示した75年のアルバム。森の中で木漏れ日を浴びて立つ二人。静かなしっとりとした空間、明るさの中にある静寂。明と暗が同じ場所に存在する事を感じさせるアルバム・ジャケットがこのアルバムを象徴しています。全米4位の「オンリー・イエスタデイ」、1位の「プリーズ・ミスター・ポストマン」のほか、ブルース・ハープのソロが忘れられない「愛は虹の色」、孤独な男を歌った「ソリテアー」など収録しています。

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