良質のアメリカン・ポップスのお手本
クロスオーバー・ミュージックのお手本的サウンドであるとか言われていますが、確かにその通りです。もともと彼らはスタジオ・ミュージシャンの集まりであり、80年代のアメリカン・ポップスを作ってきた本人たちだから当たり前です。
確かに音楽的には新しいところはありません。しかしながら、スタジオ・ミュージシャンらしく実際には非常に幅広い音楽性を持っており、ハードロックからプログレ、ジャズ/フュージョンといった様々な音楽をクロスオーバーさせ、王道とも言うべきTOTOサウンドを聞かせて切れます。
このバンドもレッド・ツェッペリンと同じくドラムがそのサウンドを作り上げていました。この初期メンバーである故ジェフ・ポーカロは、独特の16ビートのノリで他のバンドと一線を画していました。また、スティーブ・ガットと並び、アメリカの2大ドラマーとも言われていました。
いまだにドラマーの教科書的な曲「ロザーナ」。この曲はライブでは実現不可能といわれていたのですが、ふたを開けてみれば、レコードと変わらず演奏し、驚かされたものでした。今でも生きていれば、と思うほどすごいドラマーでした。
彼の演奏は「聖なる剣」まで聴くことができます。興味のある方は聴き比べてみてください。また、これは余談ですが、オズの魔法使いに出る犬の名前よりこのバンド名は取られたというのが本当の話で、メンバーが東陶機器(TOTO)の便器を日本で見たときにバンド名を思いついたというのは彼らのジョークのようです。
アーティスト
ヒストリー
黄金のメンバー
1978年にTOTOは『宇宙の騎士』というアルバムでデビューします。このときのメンバーは全員がアメリカで超一流のスタジオミュージシャンということもあり、非常に注目されました。そして、届けられたサウンドはリスナーのツボを抑えたまさにアメリカン・ポップスの王道とも言うべきものでした。
そのベースとなるのが故ジェフ・ポーカロ(ドラム)とデビット・ハンゲイト(ベース)というアメリカでも最高のリズム・セッションでした。
頂点を極めた一枚
TOTOはデビュー当時から産業ロックの代表のように言われながらも、そのすばらしい楽曲でアルバムをヒットさせ続けます。ファースト『宇宙の騎士』からは「ジョージ・ポージー」「ガール・グッドバイ」「ホールド・ザ・ライン」、セカンド『ハイドラ』からは「99」「St.ジョージ&ザ・ドラゴン」、サード『ターン・バック』からは「グッドバイ・エリノア」といったTOTOを代表するナンバーが立て続けに出てきた時期でした。
そして、4作目『TOTOⅣ』にてバンド的にも楽曲的にもTOTOは頂点を極めます。1982年のグラミー賞でも7部門を独占するという快挙を成し遂げ、その年はまさにTOTO1色でした。
悲劇とバンドの終焉?
その黄金の時代もつかの間、バンドのリズム・セッションの二人がこの『TOTOⅣ』を境にバンドを去っていきます。ベースのデビット・ハンゲイトは多忙を極めるバンド活動より家族との時間を大切にするために。そして、ジェフ・ポーカロは庭に撒いていた殺虫剤のアレルギーによる心臓発作という理由で。さらに加えて、ボビー・キンボール(ボーカル)が音楽性の違いからバンドを去っていきました。
このジェフ・ポーカロの奇妙な事件(奇妙な、というのは殺虫剤のアレルギーという症例があまり多くないため)は、一説には麻薬中毒による心臓発作ではないかとも噂されました。
とにかく、このアルバムがTOTOの最高傑作であると同時に、3人のオリジナルメンバーを失ったTOTO自体の大きなターニングポイントとなりました。
それでもバンドは続く
新ヴォーカリストとしてファーギー・フレデリクセン、サイモン・フィリップス(ドラムス)、マイク・ポーカロ(ベースギター、ジェフ・ポーカロと兄弟)という新しいメンバーを加え、TOTOは第二期へと入っていきます。バンドの中心は故ジェフ・ポーカロからスティーブ・ルカサー(ギター、ボーカル)へと移っていきました。
そして、1984年11月に5枚目のアルバム『アイソレーション』をリリースします。このアルバム自体はルカサーのハードロック志向が反映されたアルバムで、ギター・フリークから絶賛されました。
1986年には『ファーレンハイト』をリリース。このアルバムからジョセフ・ウイリアムスが新ヴォーカリストとして加入しました。
1988年2月には『ザ・セブンス・ワン~第7の剣』をリリース。時を同じくしてスティーヴ・ポーカロ(故ジェフ・ポーカロの兄弟)とスティーブ・ルカサーがソロアルバムを発表します。
90年代に入ると、ライブアルバムやベスト版を出す一方、精力的にツアーを続けました。結果、ヨーロッパでTOTOに人気が爆発。その後一年近くもヨーロッパでのツアーを続けました。
代表的なアルバム
宇宙の騎士 [トト]
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一曲目の「子供の凱歌」から始まってラストの「アンジェラ」まで非常にバラエティに富んだアルバムです。メローなナンバーあり、ヒップホップあり、ソウルあり、ハードロックあり、ポップロックありといったごった煮の様なナンバーで飽きさせずに最後まで聞かせてくれます。特にジェフ・ポーカロとデビット・ハンゲイトのリズム・セクションは絶品で、鳥肌が立つほどのグルーブ感をだしています。
メンバーがデビュー当時のインタビューでも語っていたように、「スタジオミュージシャンの寄せ集めではなく、バンドとしてこのメンバーでやっていくために集まった」というのがそのサウンドからも感じ取れる作品です。
一枚目にしてすでにアメリカン・ポップスを凝縮したようなクオリティの高い一枚。聴いてみて損はないと思います。単純に音楽を楽しめます。
でもこのタイトル何とかならないのでしょうか? 宇宙空間に剣が描かれているからって「宇宙の騎士」だったらそのままじゃないですか!
ハイドラ [Limited Edition]
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ギリシャ神話を題材にとりプログレッシヴな音作りを目指した2ndアルバム。一作目以上にテクニカルなプレイが冴え渡っています。
シングル・カットされた「99」はヒットし、全米ではゴールド・ディスクを獲得。この一枚で一気にブレイクしました。
ターン・バック
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スティーブ・ルカサーのカラーが前面に出たロックな一枚。キッチンにある食器や調理器具で音を入れたりリズムを取ったり、遊び心が感じられる音作りになっています。
このアルバムからは「グッドバイ・エリノア」が大ヒットしました。
IV~聖なる剣
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82年に発表された彼らの4枚目。ドラムのリズムが印象的な「ロザーナ」から始まるこのアルバムは、その年のグラミー賞6部門を独占するビックアルバムとなりました。
スタジオミュージシャンの集団から本当のアーティストへと変貌を遂げた一枚といえます。このアルバムは80年代のロックを語る上ではずせない一枚となりました。






