定年退職や転職時に退職の挨拶状を出すことは、社会人としての礼儀といえます。このような仕事関係の挨拶状では、連絡するべき内容を正確に伝えることが重要です。
退職の挨拶状を出す相手は、取引先やお客様などの会社関係への挨拶状と親しい仲間への挨拶状に分かれます。とくに会社関係に関しては会社を代表して挨拶状を書いているのと同じですから、細心の注意が必要です。
会社関係の人にに退職の挨拶状を出す場合
特に社外の人に退職の挨拶状を書く場合は、取引先の企業やお客様に出すわけですから十分に敬意を表して書かなければいけません。これまでお世話になったことへの感謝や今後の支援をお願いする気持ちを込めて書くようにします。
また、気をつけるべきは、個人として退職の挨拶状を書いていても、その内容によっては会社を代表して書いていることになる場合がある、ということです。ですから、例え個人的に挨拶状を書いているとしても、会社を代表して書いているのだということを念頭においておきましょう。
形式や正しい敬語を使って挨拶状を書く
日本の社会、とくにビジネスにおいては「礼儀」は非常に重要視されます。ただ内容が正確に伝わり、心がこもっていればそれで構わない、というわけではないのです。
退職の挨拶状も例外ではありません。書式や形式などを守って手紙を書くことが求められます。「前文の挨拶」から始まり、「主文」、「末文の挨拶」といった基本的なフォーマットで書くようにします。当然、手紙の基本である「頭語」と「結語」、時候の挨拶などは正確に使うようにします。
日常では使わないような表現も挨拶状では当然のように使います。敬語に関しても正確に使うことが求められます。誤字脱字などはもってのほかです。
礼儀を守った上での心のこもった挨拶状を心掛ける
礼儀は大切ですが、だからといって決り文句や常套句ばかりの挨拶状では、感謝の気持ちは伝わりません。手紙を書く上での礼儀を守りながらも、自分の言葉を使い感謝の気持ちを伝えるように表現することが大切です。
また、会社関係の退職の挨拶状は退職日の1ヶ月前をめどに先方に届くように出すようにします。先方でもあなたの退職を受けて社内での調整などいろいろな体制の変更等があるからです。
退職の挨拶状の構成と文例
- 頭語
- 時候の挨拶
- 退職の通知
- 在職中の御礼
- 今後の予定
- 今後のお願い
- 結語
退職の通知
- さて、私議、このたび一身上の都合により株式会社○○○○を○月末日をもって退社することになりました。
- さて、突然ですが、一身上の都合により長年在籍しました株式会社○○○○を○月末日をもって円満退社することになりました。
- これまで長年にわたりお世話になった株式会社○○○○を上司や同僚の理解を得て円満退職することになりました。
在職中の御礼
- ○年に及ぶ在職期間中、皆様からは公私にわたり格別のご厚情を賜り、誠に有難うございました。心より御礼を申し上げます。
- ○年に及ぶ在職期間中はひとかたならぬご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。
今後の予定
- 今後は故郷に戻り、家業を継ぐ予定でございます。落ち着きましたら、改めてご挨拶申し上げます。
- 今後は幼少の頃から夢でありました絵の勉強をするつもりでございます。
- 今後の予定ですが、妻と○○県に転居し、かねてからの望みであった農業に身をゆだねることになりました。
今後のお願い
- 今まで親しくしていただきました皆様とは遠く離れてしまいますが、今後とも今まで同様変わらぬご指導を賜りますようお願い申し上げます。
- なお、こちらにお越しの際は、是非当方にもお立ち寄りください。妻共々心よりお待ち申し上げております。
親しい仲間に退職の挨拶状を出す場合
親しい仲間に通知の手紙として退職の挨拶状を出す場合は、礼を尽くしながらも、なるべく簡潔に書くようにします。特に定年退職の場合などは、人生の大きなターニングポイントとなるのですが、その場合でも感慨や感想をあまり入れずに書くようにします。
住所など変更があった場合は正確に伝え、誰が読んでも失礼のない文面にします。最後は「これからもよろしくお願いします」といった挨拶で文章を締めましょう。
親しみを込めるにはEメールより手紙で
今はEメールで近況報告の通知をすることも多くなりました。確かにEメールの場合は手軽でよいのですが、定年退職の場合などは、親しい友人でもやはりきちんと手紙を出したいものです。
また、Eメールでなく手紙にするにしても、いつも年賀状をやり取りしている人などかなり広範囲にわたって退職の挨拶状を出すとなると、どうしても文面を印刷によって済ましてしまうことも多くなるでしょう。そのような場合でも、自筆で一言添えるようにすれば、親しみの気持ちを伝えることができます。
印刷したはがきに添える一言集
- その節は大変お世話になりました。
- 御心使い有難うございました。
- 今後ともよろしくお願いします。
- 近いうちにご挨拶に伺います。
- こちらにいらした際は是非お立ち寄りください。
退職の挨拶状の構成と文例
転職の場合の退職であれば、退職からの経緯に軽く触れながら、主に新しい仕事への意気込みに重点をおいて書くようにします。また、定年退職の場合は、趣味やボランティア、家族旅行など今後力をいれていきたいことがらを書くと前向きな印象の手紙になります。
また、転職の場合は前職をやめた理由は具体的にはふれないようにします。基本的には「一身上の都合により・・・」とかくのが一般的です。やめた理由がどのようなものでも、前の会社を悪く言わないほうが潔い人だと良い印象をもたれます。
手紙を出す時期は退職後一ヶ月以内位が良いでしょう。
退職の挨拶状の構成と文例
- 前文の挨拶
- 退職のお知らせ
- お世話になった御礼
- 今後の抱負
- 交誼を願う言葉
退職のお知らせ
- このたび家業を継ぐことなり、○月末日をもって○○株式会社を円満退社しました。
- このたび出産・育児のために退社することとなりました。
- 新たなスタートを切るべく、このたび自分の事務所を設立することとなりました。
- 今までの○年間を振り返ると、感慨無量の思いでございます。
お世話になった御礼
- 皆様には大変お世話になりました。
- 在職中は一方ならぬご芳情を賜り、心より御礼申し上げます。
- これも皆様の暖かいご支援の賜物と深く感謝しております。
今後の抱負
- 皆様のご厚志にそむかぬよう、これからも努力していく所存でございます。
- 決意も新たに、最善を尽くすつもりです。
- しばらくは充電期間と定め、新たなる気持ちで再スタートを切るつもりでございます。
- 今後は妻と一緒に野菜つくりを楽しみたいと思います。
今後の交誼の願い
- 今後も何かとお世話になることとは思いますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
- 今後も変わらぬご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
- 変わらご愛願のほどお願い申し上げます。

