汗の仕組みと多汗症
汗は本来体温調整の働きをするのが主な目的です。運動などで体温が上昇した場合汗を出して気化熱を奪い体温を下げようとします。このような体温調整のために出る汗のことを「温熱性発汗」といいます。
その一方、緊張したときなどに出る汗を「精神性発汗」といいます。この精神性発汗の場合は、手掌や足の裏、額、脇の下に発汗します。多汗症とは、この精神性発汗で起きる汗の異常になります。
多汗症の汗は体温調整機能を担当する「エクリン腺」からでます。これは体の全身にあります。一方ワキガの原因となる汗は「アポクリン腺」というところから出ており、多汗症の水のような汗と違い粘度のある汗となります。
多汗症のタイプ
多汗症には以下のように全身に汗をかくタイプと、体の一部に汗をかくタイプがあります。全身に汗をかく場合は基本的には病気という扱いをしていません。
部分的に汗をかく場合は心身に何らかの異常が見受けられる場合が多いようです。特に汗をかきやすい箇所としては「頭髪部」「額」「脇の下」「手掌」「陰部」「足の裏」と言われています。また局所多汗症はエクリン腺からでる汗とアポクリン腺からでる汗に分けられ、アポクリン腺から出る汗は悪臭を伴うため、ワキガとして識別されます。
手掌多汗症・足掌多汗症
手の掌の多汗症は「手掌多汗症(足の裏の場合は足掌多汗症)」と呼ばれており、手に汗を握るような精神的な緊張や興奮状態の時におきます。興奮が高まった場合は、手足だけでなく、全身にも汗をかくようになります。
手掌多汗症のひとは往々にして神経質の人がなりやすいようです。そのため、一旦その症状が出だすと、気にするあまりより症状がひどくなるということを繰り返すことになります。ただ、ニオイに関しては、エクリン腺からでる汗であるため、よほどのことがない限りはにおいはしません。
腋窩多汗症
脇の下の多汗の場合エクリン腺から出るのであれば問題は無いのですが、アポクリン腺からでる場合は悪臭(ワキガ臭)になります。この場合、衣類に色がつきやすくなるというのが特徴の一つとして挙げられます。
衣類についたしみは、鉄分が色素としてあるため、洗濯してもなかなか落ちません。よって、ワキガである場合の悪臭は鉄分の分解・変質したにおいとなるようです。
この腋窩多汗症がすべてワキガになるわけではありませんが、その判断材料として耳垢がいつも柔らかく湿っている人はワキガ体質であると言われています。
局所的な多汗症と体の不調
局所的な多汗は汗をかく部位によって、体の不調を予測してくれます。完全にそのとおりというわけには行きませんが、大体のところはあたっているようです。
- 頭髪部の多汗・・・肝機能障害
- 首から上の多汗・・・虚弱体質、体力不足、神経過敏
- 手掌・足掌の多汗・・・神経過敏、神経疲労、慢性便秘、高熱性疾患、蓄膿症
- 背中の多汗・・・精神不安
多汗症に気づくきっかけ
一般的に多汗症に気づくのは体育祭等でフォークダンスを踊ったときといわれています。普段は人と手をつなぐ機会が無かったため、それほど気になっていなかったことが、人と手をつなぐことにより自分の手が他人より湿っているという事実を知るためです。
その他、受験のときなど緊張すればするほど汗が吹き出てくるため、常にハンカチやタオルを手にもっていないと答案用紙が破れてしまいそうになってしまうという経験をした場合にも多汗症に気づくきっかけになります。
この場合、気にすれば気にするほど余計に汗が噴出してくるため、より悪循環となっていくようです。
多汗症の汗の出方
多汗症は生理的に必要以上に汗をかくことを言いますが、大量の汗といってもその状態は様々です。「手足が常に湿っている」人から「常に汗が滴り落ちる」人まで個人差があるためです。
常に手足に汗をかいている人は、常に体温調整の働きをしているため、手足が冷たくなり、場合によってはあかぎれを併発している場合もあります。また、湿疹があったり皮がむけたりすることもあるようです。
また、常に汗が出ているためのどの渇きを感じ方も強く、排尿回数も少なくなるようです。


