ボトックスによる多汗症治療

ボトックスとは何か

ボトックスはアメリカのアラガン社の商品名のことです。ボツリヌス毒素Aを腋窩(えきか)の皮膚の下に注入し発汗を抑えるというものです。簡単に汗を抑えたい場合非常に効果的な治療法となります。

ボトックスはもともと顔瞼(がんけん)痙攣や顔面痙攣などの不随意運動の治療に使われていました。これは瞬きをする目の周りの筋力を弱めることで痙攣自体を静めようとするものでした。これが、脇の下(=腋窩(えきか))の汗に非常に効果があることがわかり、多汗症の治療に使われるようになったのです。

ボトックス治療は精神性発汗症である「多汗症」には非常に高い効果を示します。ボツリヌス毒素は神経の末端に結合し、そこから分泌されるアセチルコリンの放出を阻むことで筋肉の付随運動を抑え、これが発汗の抑制につながっています。


ボトックスの多汗症への効果

ボトックスを注入後、約7割の人が「70~80%程度汗の量が減少した」という結果になるようです。また効き始めに関しては、早く効き始める人は翌日から効き始めるようですが、大半の人の場合は、3日目頃から効き始めるようです。

効果の持続期間に関しては、注射の部位を工夫した場合半年以上の効果持続を期待できるようです。薬品ですので、本来であれば効果持続期間が過ぎたら効果はなくなっていますはずですが、実際にはその後も汗の量が減少したり、効果が持続している場合があるようです。

これは、ボトックス治療によって発汗量が減ったことが自信につながり、「注射をすればいつでも汗を抑えられるのだ」という気持ちが多汗症に対する不安を減少させたためではないかと言われています。結果的にロゴセラピーのような効果が得られたことになります。

また、今まで報告されていた腕の重みや痺れなども、注射する量と注射部位によって改善されています。


ボトックスを多汗症治療に利用する際の注意事項

ボトックスによる多汗症の治療は人により結果はかなり違ったものになってきます。そのため、治療を行う際にはまず片方の脇の下から始めるとよいでしょう。その効果と結果を見極めてからもう片方の脇の下をや両脇の下に治療を施すようにするほうが良いでしょう。

なお、ボトックス自体には完全性は確保されているようですが、妊婦の胎児に関する安全性はまだ確立されていないようです。よって、半年後に妊娠するかもしれない可能性のある女性はボトックス注射の摂取は避け、出産後に使用するようにお勧めします。

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