手汗治療のための手術

手汗の治療に関しては、数年前までは胸部の交感神経をブロックする「胸部交感神経節ブロック」が主流でした。しかし、現在ではより安全で有効性の高い「胸腔鏡下交感神経切除術」に変わっています。


手汗治療と胸腔鏡下交感神経切除術

運動をし体温が上昇すると体温を下げるために脳からの指令が交感神経を通じて送られてきます。そのため汗を止めるために、「交感神経節」を切断してしまうというのが、この「胸腔鏡下交感神経切除術」になります。

手汗治療の手術方法

胸腔鏡下交感神経切除術の具体的な方法は、

  1. 全身麻酔で意識と痛みを取り除く
  2. 脇の下の皮膚を切り、そこから切除鏡という内視鏡と電気メスを組みあわせた管を挿入
  3. モニターで胸郭内を写しながら手術

となります。なお、左右の掌の汗の指令を出す交感神経は別物です。よって片方ずつ同じ手順で手術は行われます。時間としてはあわせて一時間程度のようです。

手汗治療の成功率

ほとんどの人はこの胸腔鏡下交感神経切除術により、手汗は治るようです。しかし、それでも約2%の人の手汗は治りません。治らない理由は以下のようになります。

  • 肺結核、肋膜炎などのように肺が周りの胸郭の壁にくっついてしぼまないことがあります。この場合は切除鏡を挿入することができないため手術そのものが行えません。
  •        
  • 交感神経節の上に血管がのっている人は、その血管を破ると大出血になるため、その位置の交感神経節に手がつけられなくなります。よって、この場合も手術が不可能になります。

要するに手術が失敗するというよりは手術そのものができないため、手汗が治らないというわけです。

また、この手術結果の持続期間ですが、論理的には半永久的に続くようです。もし再発するとすれば、交感神経節が完全に焼き切れていない場合のようです。それは交感神経というものが他の神経に比べて非常に再生能力が高いからと言われています。

手汗治療手術中の合併症

手汗治療中におきやすい合併症は「気胸」です。これはしぼませた肺が傷ついたりして元のように膨らまなくなることを言います。この場合は、手術後2~3日肺に空気を送り込んで膨らませるようです。

そのほか、血管の多いところにふれることによる出血も上げられます。これも手術後2~3日肺に細い管を入れて対処するようです。

手汗治療手術後の副作用

手汗治療手術後に起きる副作用としては、「代償性発汗」が上げられます。これは体温調整のために掌の汗が止まった分その汗を他の部分でかく必要があるため、今度は他の部分が多く汗をかくようになってしまうからです。

掌の汗は脇の下や額の汗と関連しているため、手汗治療を行った後では脇の下や額の汗も減少または停止します。その結果、乳首あたりから下の背中、太もも、腹などにより多くの汗が出るようになります。

汗というものはもともと全身から出ています。顔や首などのように普段露出している部分からの発汗はすぐ蒸発するためあまり気にならないものです。しかし、背中や腹などに汗をかくようになると汗が蒸発しないため、汗をかいていることを実感として感じるようになります。

顔面の汗は止まりますが、皮脂腺はとまりません。よって、手汗の治療後の手のようにはかさかさにはなりません。そのため女性の人によっては、返って化粧ののりが良くなる人もいるようです。


手汗治療手術のメリット

手汗治療を受けた場合、人によっては自律神経失調症や立ちくらみなどを訴える人もいますが、全体としては今まで多汗症であったがために消極的だった人が、積極的に外に出るようになり性格も明るくなる人が増えるようです。

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