アニマルセラピーとその効果

アニマルセラピーとは

アニマルセラピーとは、動物と触れ合わせることでその人に内在するストレスを軽減させたり、あるいは当人に自信を持たせたりといったことを通じて精神的な健康を回復させることを目的として行われるセラピー(心理的な安心感を与える事)です。不登校や引きこもりといった問題を抱える子供の精神的ケアの一環としても心療技術の一つとして取り入れられています。

また心臓病患者や高齢者の運動不足の解消、小児病棟の患者の精神的なケアとしても、さらには難病患者の精神的な支えとしても犬や猫などペットと触れ合わせたりといったこのアニマルセラピーは取り入れられています。

このアニマルセラピーは「動物介在活動」と「動物介在療法」をあわせて作られた造語と言われています。

動物介在活動

一定のしつけ・トレーニングをされたコンパニオンア二マルをつれたボランティアが各種福祉施設や病院・学校を訪れ、動物とのふれあいをもって情緒的な恩恵を与えること

動物介在療法

定められた基準を満たした動物を介在し、医療の専門家の定めた治療方法にそって治療を行うセラピーの方法

このように、ペットからコンパニオンアニマルへと人々の意識が変化していく中、このアニマルセラピーは様々な分野に応用されており、今後のさらなる研究の成果に期待が寄せられています。


アニマルセラピーとその効果

アニマルセラピー1 難病で生への意欲が低下している患者にとって、生活して行く上での伴侶などとするより密接な関係を人間と持っている動物であるコンパニオンアニマルといることは生への意欲を取り戻したり、動物の世話をすることにより生活習慣を取り戻すことが期待されます。

またストレス社会の弊害としての精神疾患患者が疲弊した人間関係を回復させたりするのにもこのアニマルセラピーは活用されています。これは動物から癒されるだけでなく、その動物を世話することによって逆に他者とのかかわりの再構築を行うという目的も伴っています。


アニマルセラピーの歴史

アニマルセラピーの歴史はある意味ではペットの歴史でもあると言えます。特にイヌの場合は、はっきりした主従関係を好む習性から、家族の一員として扱われました。石器時代におけるイヌの墳墓(埋葬に際して添えられたと見られる花の花粉が見られたり、なんらかの食料の残骸が一緒に発見されるなどの特徴も見られる)も発見されています。その一方で、所有物という概念もあったようで、殉死によって飼い主と共に埋葬されたと思われるケースも見られました。

ネコは古代エジプトにおいて神格化されたせいもあって高貴な身分に相応しい愛玩動物として扱われ、実用的な用途よりもより今日のペットに近い存在であったようです。丁寧に埋葬されたネコのミイラも発見されており、同時代に於ける同種動物の地位が如何に高かったか感じられます。

このように古くは家畜とペットの境界は曖昧で、飼育する側の社会的地位によってその境界は更に曖昧な物であったと言えますが、今日その多くは家族として、パートナーとして、仲間として人の暮らしに密接に関わり、心癒され愛玩する相手、人と共生する存在(コンパニオンアニマル)というように変遷を遂げてきています。


アニマルセラピーの問題点

アニマルセラピー2 上記のようにアニマルセラピーは人々の心を癒す、または生活への意欲を向上させる存在である一方、それゆえの問題点もあります。それがペットロス症候群といわれるものです。

ペットロスとはその名の通り”ペットを失う”ということです。ペットと長いときを過ごし、愛着や愛情が深ければ深いほど、そのペットの死による精神的な打撃は大きくなります。その結果様々な症状が出てくるのですが、これには個人差があります。

代表的な症状としては以下のようなものが上げられます。

  • 「うつ病」、「不眠」、「情緒不安定」、「疲労」、「虚脱感・無気力」
  • ペットの声や姿が一瞬現れた気がする「錯覚」
  • 幻視・幻聴などの「幻覚」、今に帰ってくるのではないかという「妄想」
  • 胃潰瘍など「消化器疾患(心身症) 」

これらの症状は大切なぺットの死を受け入れられないことによる逃避という自己防衛の心理作用が働いているのが原因と考えられます。元来ペットのほうが人間よりも短命であること、死というものは避けられないものであることを受け入れることがこのペットロス症候群から立ち直るには必要となります。

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