社会不安障害(SAD)とは?
人前で話したりする場面になると、不安や恐怖を覚えて赤面したり、汗が出たり、震えたり、口が渇いたり、といった経験はありませんか? 本人が苦しんでいても他人には意外と分からないものです。こんな症状、あなたは自分が内気な性格だからとか恥ずかしがり屋だから、といった言葉で片付けていませんか? この症状、脳内物質の異常分泌による心理面での病気の可能性が高いのです。
この社会不安障害(SAD)になった人は、人前で変なことを言ってしまうのではないかと強く思うあまり不安になります。結果、人前に出ると手が震えたり、赤面したりするのですが、そうなっていることを気づかれたくないために人前に出るのを避けるようになってしまうのです。
以前は、この病気は「対人恐怖症」という神経症のように扱われていました。しかし、海外での調査等で10%強の人がこの病気であることが分かり、社会的に認知されるようになってきたのです。
社会不安障害(SAD)の症状
ここでもう一度、社会不安障害(SAD)にはどのような症状があるのか整理してみましょう。
- すぐ顔が赤くなってしまう
- 手足の震えがとまらない
- 動悸やめまいがする
- 声がかすれたり、出なくなったりする
- 大量の汗が止まらない
- 呼吸が苦しくなる
- 下痢をしたり、トイレが近くなったりする
このような症状がでていたら、あなたも社会不安障害(SAD)の可能性があります。
この病気は思春期から青年期にかけて発病することが多く、慢性化することもあるため、人前に出るのが億劫になったりします。また、それに伴って「うつ病」になったりといった病気も併発する可能性も出てきます。
社会不安障害(SAD)は恥ずかしがり屋と似ている部分もありますが、決定的な違いもあります。
- 恥ずかしいという気持ちが続き、慣れることがないばかりか、不安感へとシフトしてしまう
- 自分の不安感や羞恥心に対する強い自覚症状がある
- 不安感が募ると体調がおかしくなってくる(下痢やめまいなど)
これらの症状に共通しているのは、これらが日常生活自体に支障をきたすようになる、ということです。
社会不安障害(SAD)の治療法
SADの治療法には大きく分けて2つあります。「薬物療法」と「心理療法」の二つです。
薬物療法
薬物による治療は身体的な症状を緩和させるために行います。これらの薬物による治療は即効性があるため、日常生活に支障をきたしてきている場合などに効果があります。
心理療法
心理療法は二つの方法の組み合わせで治療します。なぜそのような不安な気持ちがおきるのかを考え、自分を見つめなおすことによってリラックスするための方法を学ぶ「認知療法」と、あえて自分が不安となる状況の場へと身をさらすことにより、"慣れ" るよう治療する「行動療法」です。
社会不安障害(SAD)は全国で推定患者数が300万人以上もいるといわれているほど一般的な病気です。自分にその可能性があると思う場合は、恥ずかしがらずに一度、精神科や神経科、心療内科等の医院に相談してみるのが良いでしょう。
この病気は、放っておくと『うつ病』や『パニック障害』などもっと深刻な病気になる可能性を秘めています。自分は大丈夫と思わず、客観的に自分を見つめてみることが、早期発見、早期治療につながるのです。

